【看護学校定員割れ】「新人が来ない」の先にある未来。|46都道府県の“空白”が招く、静かなる医療崩壊と現場の限界

30秒サマリー

背景と現在地 少子化に加え、実習の負担や責任の重さから、若者たちの「看護職離れ」が加速しています。これまでは「入職しても辞めてしまう」ことが問題でしたが、今は入り口の段階で人が集まらないフェーズに入っています。

ニュースの核心 厚生労働省の報告によると、2024年度の看護師養成所において、大分県を除く全国46都道府県で入学者が定員を下回ったことが明らかになりました。これは一部の過疎地だけの問題ではなく、日本列島全体で「未来の医療の担い手」が消失しつつあることを示しています。

結論 新人が来ないということは、補充がきかないということ。それは現場の負担増で済む話ではありません。「看護師がいないから病棟を閉める」「救急車を断る」という、医療崩壊が日常になる未来へのカウントダウンです。

3分サマリー

「いつか誰かが入ってくる」という前提の崩壊

これまでも「看護師不足」は叫ばれてきましたが、現場には心のどこかで「なんだかんだ言っても、春になれば新人が入ってくる」という前提がありました。 しかし、今回のデータが突きつけているのは、その水源自体が枯れ始めているという事実です。

18歳人口の減少スピード以上に、看護師を目指す若者の数が減っています。 「きつい・汚い・危険」に加え、「責任が重すぎる」という敬遠材料が、若者たちを他の産業へと流出させています。 「今は辛くても、来年人員が増えれば…」。その希望的観測は、この調査結果をもって完全に崩れ去ったと言わざるを得ません。

現場が恐れる「負のドミノ倒し」

新人が入ってこない影響は、「忙しい」レベルでは済みません。現場ではすでに、恐ろしいドミノ倒しが始まろうとしています。

  • 病棟の閉鎖・縮小: 医師がいても、ベッドがあっても、配置基準を満たす看護師がいなければ入院を受け入れることはできません。
  • 救急搬送の拒否: 「人手不足のため受け入れ困難」。その判断を迫られる場面が、今後劇的に増えるでしょう。
  • 残ったスタッフの連鎖退職: 補充がない中で限界まで働いたスタッフが倒れ、さらに残った人の負担が増し、また倒れる。

このサイクルに入れば、地域の基幹病院であっても機能不全に陥ります。「医療崩壊」とは、ある日突然起きるのではなく、こうして静かに、しかし確実に進行していくのです。

精神論はもう通用しない。国と社会が向き合う時

この状況下で、現場の看護師に「頑張って回してほしい」と言うのは、あまりに酷です。 もはや現場の工夫や努力でどうにかなる段階は超えています。

なり手を増やすためには、若者が「それでもなりたい」と思えるだけの**抜本的な待遇改善(大幅な賃上げ)**や、奨学金制度の拡充など、国レベルでの強力なテコ入れが不可欠です。 今回のデータは、私たち現場からの悲鳴であると同時に、社会全体に対する「このままでは、あなたやあなたの家族を看る人がいなくなりますよ」という、最後通告でもあります。

一次ソース

https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/100-1.html (厚生労働省:看護師等学校養成所入学状況及び卒業生就業状況調査)況調査)

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