【厚労省】D to P with Nによる新たなオンライン診療|画面越しの医師に空気を伝える新たな看護師の役割。

30秒サマリー

背景と現在地

コロナ禍で一気に普及したオンライン診療ですが、画面越しでは「顔色」は見えても「質感」や「空気感」までは伝わらないという、物理的な限界がありました。

ニュースの核心

そこで厚労省が推進を明確化したのが、看護師が患者のそばで診療を補助する「D to P with N(Doctor to Patient with Nurse)」です。これは、私たちが医師の代わりに触れ、匂いを嗅ぎ、その場の空気を言語化して伝えることで、遠隔診療を「対面」に近づける試みです。

結論

私たちはもう、ただのスマホ持ち係ではありません。画面の向こうに体温と切迫感を届ける、世界で一番信頼されるインターフェースになります。

3分サマリー

画素数が伝えきれない「ラストワンマイル」

モニターの向こうにいる医師と、目の前にいる患者さん。その間に立つとき、私たちは「ただの中継ぎ」だと感じてしまうことがありました。 しかし、どれだけカメラの性能が上がっても、画面越しでは伝わらない情報があります。湿った皮膚の感触、独特の口臭、部屋に漂う生活の匂い。 「D to P with N」における看護師の役割は、そうしたデジタルの網の目からこぼれ落ちる「生の情報」を拾い上げることです。 医師が画面を見て「大丈夫そうですね」と言いかけた時、「いえ、脈が弱く、末梢が冷たいです」と遮ることができるのは、その場にいるあなただけ。あなたが伝えるその“空気”こそが、診断のラストワンマイルを埋める鍵になります。

「私の手」が、医師の迷いを断つ

想像してみてください。訪問看護の現場で、腹痛を訴える患者さん。 画面越しの医師は、触診ができません。そこであなたの手が試されます。 「先生、右下腹部に圧痛があります。ブルンベルグ徴候も陽性のようです」。 あなたのその指先の感覚と言葉が、迷っている医師に「急性虫垂炎」という確信を与え、搬送の決断を後押しする。 これまでは医師の影に隠れがちだったフィジカルアセスメントの技術が、ここでは主役級の武器になります。「君がいてくれて助かった」。その言葉は、私たちが便利な三脚ではなく、代替不可能なパートナーであることを証明しています。

阿吽の呼吸でつくる、新しい診療の景色

今後、へき地や在宅医療では「医師はクラウド上、現場はナース」というスタイルが日常の景色になっていくでしょう。 それは不安な未来ではなく、私たちの裁量が広がるチャンスです。 医師が「カメラを近づけて」と言う前に、患部の発赤を指でなぞって見せる。呼吸音の違和感を、聴診器越しに先回りして伝える。 そんな阿吽の呼吸で進む診療は、まるでダンスのペアのようにクリエイティブです。画面には決して映らない「現場の看護師」というプライド。それを胸に、私たちは今日も遠く離れた医師と、目の前の命を繋いでいくのは遠い未来の話ではないのかもしれません。

一次ソース

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_46216.html

(厚生労働省 第113回社会保障審議会医療部会:資料1-3 適切なオンライン診療の推進について)

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