30秒サマリー
背景と現在地
配膳車から漂う夕食の匂い。その当たり前の光景を支える「食材費」が、物価高の波に洗われ、限界を迎えています。
ニュースの核心
中医協(中央社会保険医療協議会)では、病院給食を維持するための防衛策として、入院時の食事療養費(基準額)を**「40円引き上げて730円としてはどうか」**という具体的な提案が出されました。
結論
これは単なる値上げではなく、食事というインフラを守るための修正です。しかし、そのコスト負担の行方は、現場の空気を少しだけ重くするかもしれません。
3分サマリー
背景:厨房からのSOS
スーパーで卵や野菜の値段を見るたび、私たちは小さくため息をつきます。その感覚は、数千食を作る病院の厨房でも同じ、いや、より切実なものです。
これまでも診療報酬改定で微修正は行われてきましたが、近年の食材費・光熱費の高騰スピードは、過去の想定を遥かに超えていました。
「今の価格設定のままでは、安全でおいしい食事が出せない」。そんな悲鳴にも似たデータが、国の中央会議に提出されています。
このままでは「質」を守れない。それが、今回の議論の出発点です。
ポイント:730円が意味するもの
- 「プラス40円」の提案
- 具体的には、入院時食事療養費の基準額を40円引き上げ、1食あたり730円(※基準額ベース)とする方向性が示されました。
- なぜこの数字なのか
- これは病院が儲けるための値上げではありません。
- 直近の食材費上昇率(約6.5%増など)を計算式に当てはめ、「マイナスをゼロに戻す」ために弾き出された数字です。
- 現場への光と影
- 光(メリット): 委託業者への支払いに余裕ができ、「おかずが減る」「質が落ちる」といった最悪の事態を防げます。
- 影(デメリット): もし患者さんの自己負担額(標準負担額)も連動して上がれば、窓口や病棟で「高い」という不満の声を受け止める場面が増えるでしょう。
今後の見通し:制度の言葉を、生活の言葉へ
この「730円案」は、2026年度の診療報酬改定、あるいはそれ以前のタイミングでの反映を目指して議論が続きます。
決定すれば、私たち看護師は、患者さんに対して「なぜ食費が変わるのか」を説明する必要が出てくるかもしれません。その時必要なのは、難しい制度の話ではなく、「おいしい食事も治療の一部だから」という、生活者としての共感です。
温かいご飯が当たり前に出てくる。その普通を守るための対価が、今問われています。
一次ソース

食材費等高騰踏まえ入院の食費を40円引き上げ「730円」としてはどうか、各種専従要件などの整理も実施―中医協総会(2) | GemMed | データが拓く新時代医療
食材費の高騰を踏まえて2024年度・25年度と「食費の基準額」を引き上げたが、その後も食材費高騰が続いている点



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