30秒サマリー
補正予算(2025年11月28日)には、
2026年度診療報酬改定を見据えた“基盤措置” が複数盛り込まれています。
ポイントは3つ。
- 地域医療提供体制の再編に向けた準備支援
- 働き方改革(医師・看護師)を現実的に回せる体制整備
- 病院経営の急激な悪化を止める“緊急の下支え”
これは“改定そのもの”ではありませんが、
改定の議論を現場が受け止められる状態にするための土台 です。
看護師にとっては、
今後の病棟の役割・配置・タスクシフトがどう動くかを左右する重要な内容です。
3分サマリー
■ 背景:2026年度の改定は“構造を動かす”タイミングになる
補正予算は本来「急場しのぎ」の性質が強いですが、
今回の内容には 2026年度改定を想定した準備 が随所に含まれています。
一次ソースが示す背景は明確です。
- 医療費の伸び
- 高齢化による医療需要の増加
- 働き手不足(特に看護・医師)
- 病院の経営悪化
- 地域医療構想の停滞
- 急性期に集中する負担
つまり、
“現場が耐えられる状態になっていない限り、改定の議論が進めない”
という状況です。
この“足場固め”が、今回の基盤措置の意味です。
■ 1. 地域医療構想の再始動──病床機能の明確化へ
補正予算では、
地域医療構想の具体化に向けた支援 が強調されています。
現場に落とすとこうなります。
- 急性期:より重症・高難度治療へ集中
- 回復期:ADL改善と地域連携の強化
- 慢性期:在宅・介護との接続を前提とした配置へシフト
- 救急:地域での役割分担を明確化
看護に直結するポイントは、
「看護の重さに応じた配置の最適化」 が本格的に動き出すということ。
病棟の役割が曖昧なままでは、タスクシフトも配置も進みません。
■ 2. 働き方改革の“現実化”──時間外上限規制への対応支援
医師・看護師の働き方改革は、
2026年度に向けて“逃げられない課題”です。
補正予算では、
- 業務改善の支援
- ICT導入・DX推進
- 文書作成やデータ整理の自動化
- 夜勤負担の軽減策
- 多職種へのタスクシフト促進
など、
時間外上限規制(医師:960時間/看護師:月45時間に近づける流れ)
に現場が対応できるよう土台整備が位置づけられています。
現場の言葉でいえば、
「今の業務量のまま上限規制は無理」
その“無理”を少しでも減らすための支援です。
■ 3. 経営悪化の“崩壊ライン”を止める緊急支援
補正予算の中心は、
物価・光熱費・人件費の上昇への補填(経営悪化対策) です。
これが基盤措置とどうつながるのか?
病院が赤字で採用を止める
↓
看護配置が崩れる
↓
働き方改革どころではなくなる
↓
改定の議論すら現場は受け止められない
つまり、
“改定以前に医療機関が倒れることを防ぐ”ための最低限の下支え
という意味になります。
特に以下の維持に直結します。
- 夜勤体制
- 急性期の人員
- 外来・救急のマンパワー
- 派遣依存の抑制
- 基幹病院の機能維持
看護師視点での結論
2026年度の診療報酬改定は、
“看護の重さ・配置・タスクシフト”を大幅に動かす改定
になると見られています。
今回の補正予算の基盤措置は、
その本番に向けて“現場が持ちこたえるための準備”です。
まとめると──
- 看護配置維持のための財政支援
- 働き方改革に耐えられる業務改善の後押し
- 病床機能分化(役割がはっきりする)
- タスクシフト・ICT導入の加速
- 外来・救急の負担軽減につながる基盤整備
結論:
2026年度改定のカギは“看護師が働ける環境を先につくること”。
そのための下準備が今、始まった。
一次ソース
厚生労働省
令和7年度補正予算案(2025年11月28日)
https://www.mhlw.go.jp/wp/yosan/yosan/25hosei/dl/25hosei_20251128_01.pdf
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