[テクノロジー]看護現場の“時間を取り戻す”ために──RPAはどこまで業務を支えられるのか

働き方・待遇

30秒サマリー

物価高騰・人員不足・働き方改革の三重苦のなか、看護師は“本来の看護”以外の事務作業に追われ続けています。RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)は、その一部を機械に任せる技術で、定型作業の自動化に力を発揮します。患者説明や処置は減りませんが、「看護師でなくてもよい仕事」を確実に減らす点で現場改善に直結します。業務のすき間から少しずつ“時間”を取り戻す取り組みとして重要です。


3分サマリー

背景

夜勤明けの記録整理、外来の書類チェック、各種台帳の入力、検査予約の転記……。
看護師として働くほど、「これ、看護師がやらなくてもいい仕事では?」と思う瞬間が少しずつ積み重なります。

人員不足の病棟では、こうした周辺業務が業務量の底上げを招き、疲労の蓄積につながります。
制度上も、働き方改革(時間外上限規制)により、業務の棚卸しは避けられません。

その文脈で注目されているのが RPA です。

背景としての結論は、
“看護師の時間”を守るには、事務的な反復作業を機械化する仕組みが欠かせない
ということです。


RPAとは?(現場向けにかみ砕いて)

RPA=Robotic Process Automation
言い換えると 「パソコン上の単純作業を、看護師の代わりにロボットが自動でやってくれる仕組み」 です。

たとえば、

  • 画面を開く
  • 情報をコピーする
  • 別のシステムへ貼りつける
  • 表を作る
  • 一覧をチェックする

こうした“手順がいつも同じ”作業が得意です。

ロボットといっても、機械が病棟に走りまわるわけではなく、パソコンの中で動き続けるイメージに近いです。


看護現場でRPAが効く場所

RPAは医療行為を代替するわけではありません。
ただし、「看護師でなくてもできる仕事」 を確実に減らします。

● 入退院支援の事務作業(名簿づくり、情報転記)
● 検査予約・指示書の転記
● カンファレンス資料の定型書式づくり
● 外来・病棟の問い合わせ対応ログの整理
● 各種月次データの集計

看護師が1時間かけていた作業を、RPAが数分で終わらせる例も珍しくありません。

現場感でいえば、
「急変対応のあと、ぐったりしながら深夜にパソコン作業」
という時間を少しでも削れるのが、RPAの実際的な価値です。


なぜいまRPAが必要なのか

RPAの導入が叫ばれている背景には、3つの要素があります。

  1. 人手不足の常態化
    どの病棟も欠員が埋まらず、周辺業務を抱える余力がなくなっています。
  2. 医師・看護師の働き方改革
    時間外上限規制を守るには、仕事の“入れ替え”が不可欠です。
  3. ICT・AIとの組み合わせ
    電子カルテ、ベッドコントロール、AI問診などと連動しやすくなり、「つながる効率化」が進んでいます。

結論として、
看護師の業務を減らすのではなく、“看護以外の業務”を減らす技術
として、RPAの存在感が強まっています。


今後の見通し

RPAは看護師不足を“魔法のように解決”するものではありません。
しかし、業務改善の基盤として欠かせず、今後は以下の方向に広がると見られます。

  • 入退院支援・地域連携業務との連動
  • AIによる文書作成補助と統合(看護サマリなど)
  • ベッドコントロール・病棟繁忙度の自動分析と接続
  • 外来トリアージや救急事務作業の同時削減

そして何より、
“看護師が看護に戻れる時間をつくる”方向の制度改定・DX推進
が国でも加速しています。

見通しの結論は、
RPAは病棟の働き方を支える“静かな基盤”になり、配置最適化やタスクシフトの土台を固める技術になる
ということです。


一次ソース

本記事の基盤とした情報:


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