30秒サマリー
物価高騰と賃金上昇が続き、医療機関の経営は限界に近づいています。一方で診療報酬は物価上昇に追いつかず、看護職の給与は全産業との差がさらに拡大。夜勤手当は10年以上ほぼ据え置きで、賞与も「減った」「変わらない」が半数を超える厳しい状況です。
このままでは看護人材の流出が進み、地域医療が崩れかねない──日本看護協会はそう危機感を示し、「補正予算での緊急支援」と「次期診療報酬の十分なプラス改定」を国に強く求めています。
3分サマリー
背景:数字が示す“現場の限界”
日本看護協会は、厚労大臣・医政局長・保険局長に対して緊急要望を提出しました。
背景には 医療機関の深刻な経営悪化と、看護職員の処遇の停滞 があります。
- 物価高騰で各コストが急増
- 診療報酬+0.88%(令和6年度)は原資として不十分
- ベースアップ評価料を算定しても「賞与が減った」が約3割
- 全産業との給与差は 40代後半で月9.5万円差
- 夜勤手当は 10年以上ほぼ横ばい
これらは現場の看護師が日々感じる「がんばりと報酬が釣り合わない」現実を、データで裏付ける形になっています。
結論:処遇改善が追いつかず、看護人材の流出につながる危機が迫っている。
ポイント:看護職が置かれている“本当の状況”
PDF資料には、看護職の賃金・夜勤手当・賞与の実態が詳細に示されています。
1. 全産業との格差は拡大中
- 40代後半:月9.5万円差
- 2023→2024で差はさらに拡大
20代では看護が上回るものの、30代で逆転。
キャリアを積むほど賃金の差が広がる構造が続いています。
2. 賞与は半数以上が「増えていない」
- 「減った」27.5%
- 「変わらない」32.7%
月給が上がっても、実質的な処遇改善には至っていません。
3. 夜勤手当は10年以上ほぼ据え置き
- 準夜勤:4,154円
- 深夜勤:5,122円
- 2交代:11,286円
負担の大きさに対して手当が比例していない、という構造が続いています。
現場の看護師ほど、「これはまさに現実」と感じる内容です。
今後の見通し:要望の核心は“今年、すぐ動いてほしい”
看護協会は次の2点を強く求めています。
- 令和7年度補正予算での緊急支援
- 令和8年度診療報酬で十分なプラス改定の確保
秋山会長は、
「診療報酬改定を待つ余裕はない」「補正予算での即時対応が必要」
と述べています。
医政局長・保険局長も、
- 夜勤手当の低迷への驚き
- 医療機関の厳しい実態の認識
- 賃上げ・効率化支援の必要性
を示し、一定の前向き姿勢を示しています。
結論:今年中の財政措置と、来年度の確実なプラス改定。その両方が地域医療を守る鍵になる。
一次ソース(PDF)
厚生労働大臣・医政局・保険局への緊急要望(日本看護協会)
https://www.nurse.or.jp/home/assets/20251008_nl01.pdf


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