【2026改定】あなたの給料だけが上がらない?|「ベースアップ評価料」を申請しない病院の“言い訳”と、私たちが知っておくべき“引き際”

30秒サマリー

  • 背景と現在地:2026年2月、診療報酬の本体改定率が「+3.09%」に決定しました。ニュースでは「看護師の賃上げ確実」と報じられていますが、現場では「私の病院は上がるのか分からない」という不穏な空気が漂い始めています。
  • ニュースの核心:今回の賃上げ原資は、自動的に振り込まれるものではなく、病院側が「複雑な計画書」を国に提出し、受理されなければ1円も入らない仕組み(ベースアップ評価料)が大部分を占めるからです。
  • 結論:事務能力の低い病院や、「賃上げより借金返済」を優先する病院にいる限り、国の支援はあなたの手元には届きません。この春の説明会が、その病院に残るべきかどうかの「最終選別」になります。

3分サマリー

背景:「全員一律」ではない、残酷な選別

「ニュースでは給料が上がるって言ってたのに、経営陣からは何の説明もない」。 そんな不安を感じているなら、その直感は正しいかもしれません。

今回の改定(+3.09%)の目玉である「ベースアップ評価料」は、病院が国に対して「賃金改善計画書」を提出し、実績を報告することを条件に支払われます。つまり、「面倒な手続きを完遂できる事務能力」と「賃上げを最優先する経営判断」がある病院のナースだけが救われる仕組みなのです。 国は予算を用意しましたが、それを取りに行くかどうかは、あなたの病院の経営陣次第。「うちは手続きが間に合わなくて……」という言い訳が、この春、多くの病院で聞こえてくるでしょう。

ポイント

  • 「申請しない」=「経営の怠慢」
    • 理由:制度が複雑すぎて、中小病院の事務長レベルでは対応しきれないケースが多発しています。
    • 具体例:「計算が合わない」「システム改修が間に合わない」と先送りにされ、結果として4月・5月の加算を取りこぼす病院が出てきます。
    • 結論:経営陣の能力不足のツケを、私たちが「給与据え置き」という形で払わされます。
  • 「ボーナスで調整」というトリックに注意
    • 理由:基本給(ベース)を上げると、連動して「残業代」や「退職金」、「ボーナス」の計算単価も上がってしまうため、病院側はこれを極端に嫌がります。
    • 具体例:「毎月の手当で1万円出す代わりに、冬のボーナスを1万円減らすね」という、実質年収が変わらない提案をしてくる病院も存在します。
    • 結論:これでは「賃上げ」ではなく、単なる「給与の組み替え(朝三暮四)」です。
  • 「説明会なし」は黄色信号
    • 理由:まともな病院であれば、3月中には「4月からこう変わります」という全職員への説明会(または文書配布)があるはずだからです。
    • 具体例:4月になっても沈黙を貫き、6月の明細でしれっと「調整手当」でお茶を濁す病院は、搾取の構造から抜け出せていません。
    • 結論:6月の数字を見てから動くのでは遅い。「今年のベースアップ、どうなりますか?」と師長や事務に聞く勇気が必要です。

現場の体温:休憩室に流れる「沈黙」の正体

「ねえ、あそこの病院、来月から基本給が1万円ぐらい上がるんだって」 夜勤の休憩中、スマホを見ていた後輩がポツリと言いました。 その場に流れた、一瞬の沈黙。 誰も「うちは?」とは聞き返せませんでした。

師長に聞いても「事務に任せてるから」とはぐらかされ、事務に行けば「検討中」と扉を閉ざされる。 私たちが必死にナースコールを取っているこの時間も、経営陣が動いてくれなければ、私たちの価値は1円も上がりません。 「忙しさは同じなのに、隣の病院とは年収で20万円違う」。 そんな残酷な現実が、もうすぐそこまで来ています。

今後の見通し:逃げるべき場所、残るべき場所

2026年度改定は、病院の「経営体力」と「職員への誠意」を丸裸にします。

  • ホワイトな病院:すでに全職員へ説明会を開き、「6月からこれくらい上がります」と明示している。
  • 危険な病院:6月の明細に「ベースアップ評価料」や「処遇改善手当」の項目が増えていない。

もし後者の病院にいるなら、夏のボーナスをもらった後に「転職」を考えるのは、決してわがままではありません。 「賃上げに対応できない(しない)病院」は、今後さらに加速する物価高や働き方改革にも対応できない可能性が高いからです。 自分を安売りしない。その決断のタイミングは、今この春に迫っています。


一次ソース

厚生労働省:令和8年度診療報酬改定の概要(賃上げ・基本料関連)

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