【日看協】「ナース・プラクティショナー」創設への決意と、私たちが手にする新しい地図|医師の背中を追いかけて、その手で処方箋を書く日。

30秒サマリー

背景と現在地 今の日本の法律では、どんなにベテランの看護師でも、医師の「指示」がなければ医療行為や薬剤の処方ができません。夜間の急変や在宅の現場では、この「タイムラグ」が大きな壁となっています。

ニュースの核心 日本看護協会は、大学院教育を受けた看護師に対し、一定レベルの「診断」や「処方」を認める新資格**「ナース・プラクティショナー(仮称)」**の法制化に向けて動きを強めています。

結論 それは、誰かが敷いたレールの上を走るだけの毎日から、自らの手でハンドルを握り、行き先を決める旅への転換。「待つこと」も仕事だった時代が終わり、自らの知識と責任で、患者の痛みに直接届く「答え」を出せる未来が近づいています。

3分サマリー

「指示待ち」というもどかしさからの解放

夜間の急変、訪問看護での予期せぬ症状。 「カロナールひとつ使うのにも、電話がつながらない医師を待たなければならない」。そんな絶対的な距離ともどかしさに、唇を噛んだ経験は誰にでもあるはずです。

高齢化が進み、医師の手が回らない場所が増えていく中で、その隙間を埋めるのは「誰かの指示を待つ看護師」では間に合いません。 だからこそ、日看協は声を上げました。高度な教育を受けたナースなら、風邪の診断や、生活習慣病の薬の調整くらいはできるはずだ、と。 これは医師の領域を侵すことではなく、医療という光を、より遠くの暗闇まで届けるための必然的な進化です。

「特定行為」とは決定的に違う権限

現在ある「特定行為研修」と、今回目指しているNP(ナース・プラクティショナー)は、似ているようで決定的に違います。

  • 特定行為研修: あくまで「手順書(医師の包括的指示)」に基づいて処置を行うもの。
  • NP(仮称): **「自分の判断で診断し、薬を処方し、治療を完結させる」**権限を持つもの。

つまり、医師の代行ロボット(手足)になるのではなく、独立した一人の診療者(頭脳)として立つことを意味します。

ハードルは「大学院」と「覚悟」

この資格を得るには、2年間の大学院修士課程(医学知識、薬理学など)が必須となる見込みです。 診断や処方には、医師並みの医学的基礎と、結果に対する重い責任が伴うからです。

働きながら取るのは相当な覚悟が必要ですが、その分、ライセンスとしての価値と給与水準は、これまでの看護職とは別次元のものになるでしょう。 まずは訪問看護や介護施設、医師不足のへき地など、「最初の砦」としての活躍が期待されています。

管理職でも専門看護師でもない、「第三の道」

医師会からの反発もあり、法制化にはまだ時間がかかるかもしれません。しかし、「タスク・シフト」の流れは誰にも止められません。

いつか法律が変わった時、その新しいドアを一番に開けるのは、今のうちから「なぜその薬なのか」「なぜその診断なのか」を考え続けてきた人だけです。 師長を目指すのでもなく、特定のケアを深める専門看護師でもない。臨床の最前線で、聴診器と処方箋を武器に戦う「第三のキャリア」が、もうすぐそこまで来ています。

一次ソース

https://www.nurse.or.jp/nursing/np_system/

(日本看護協会:ナース・プラクティショナー(仮称)制度の構築)

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