【帝国データバンク】医療機関786件が消滅。「過去最多」の倒産・廃業ラッシュが告げる、雇用の終わりの足音

30秒サマリー

背景と現在地 帝国データバンクの最新調査によると、2024年に倒産・休廃業などで市場から消えた医療機関は786件に達し、過去最多を更新しました。

ニュースの核心 衝撃的なのは、借金による「倒産(64件)」に対し、自主的に看板を下ろす「休廃業・解散(722件)」が圧倒的に多いこと。特に**「診療所(クリニック)」と「歯科」**の廃業が急増しており、院長の高齢化や人手不足を理由に、黒字でも閉院を選ぶケースが増えています。

結論 「経営破綻」はニュースの中の出来事ではありません。あなたが働くそのクリニックでも、明日突然「今月で閉めます」と告げられるリスクが、かつてないほど高まっているのです。

3分サマリー

「倒産」だけじゃない。「あきらめ廃業」という静かな津波

「病院が潰れるなんて、よっぽど経営が下手だったんでしょ」。 そう他人事のように笑っていられる時代は終わりました。

帝国データバンクが示した2024年のデータが突きつける現実は、もっと残酷で静かです。法的整理などの「倒産」が64件だったのに対し、自主的に事業を畳む「休廃業・解散」はなんと722件。実に倒産の10倍以上の医療機関が、借金で首が回らなくなる前に、自ら「もう無理だ」と白旗を上げているのです。

物価高騰、賃上げ圧力、そして採用難。これらの波に耐えきれず、「傷が深くなる前に閉める」という判断が、水面下で加速しています。それは派手なニュースにはなりませんが、そこで働くスタッフにとっては、ある日突然、生活の基盤が消滅することを意味します。

「クリニックなら安泰」神話の崩壊。狙われるのは中小規模

今回の調査で特筆すべきは、廃業の中心が**「診療所(クリニック)」と「歯科医院」**である点です。 全体の件数を押し上げた最大の要因は、これら小規模医療機関における「院長の高齢化」と「後継者不在」です。

「うちは先生も優しいし、患者さんも来てるから」。 その安心感は脆いものです。先生が高齢であればあるほど、自身の体調不良や、これ以上の苦労をしてまで経営を続ける意欲の低下が、そのまま「閉院」の引き金になります。 大規模病院のようなM&A(買収)の対象にもなりにくい小規模クリニックの場合、待っているのは「事業譲渡」ではなく完全な「解散」。つまり、雇用契約の終了と、退職金なしの放り出しです。

閉院の張り紙を見る前に。ナースが磨くべき「嗅覚」

「来月末で閉院します」。 朝礼でそう告げられた時、あなたにできることはほとんどありません。だからこそ、その日が来る前の「予兆」に敏感になってください。

データが示す危険サインは以下の通りです。

  1. 設備投資の完全停止: 壊れた機器を騙し騙し使い始めたら、院長はもう未来を見ていません。
  2. スタッフ補充の停止: 誰かが辞めても「今は無理して入れなくていい」と言い出したら、店じまいの準備かもしれません。
  3. 院長の口癖の変化: 「疲れた」「もう潮時かな」といった弱音が漏れ始めたら、それは冗談ではなく、経営者の本音です。

職場がなくなることは防げなくても、自分の身を守る準備はできます。沈みゆく船に最後まで付き合う義理と、あなたの生活を守る責任。その天秤を見誤らないでください。

一次ソース

https://www.tdb.co.jp/report/industry/20250122-iryoukikan/ (帝国データバンク:医療機関の倒産・休廃業解散動向調査 2024年)

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