【厚労省調査】がん患者の“体験”が示す看護の価値〜

看護ニュース

30秒サマリー

全国11,169名に行われた患者体験調査で、患者が最も信頼を寄せたのは「医師の知識」だけでなく、“看護師がそばにいてくれる安心” でした。
一方で、若年・希少がん患者では不安や孤独、経済的負担が大きく、そこを支えるのもやはり看護師の役割。
調査は、治療成績だけでなく 患者の“生活”を守る看護の重要性 をはっきりと示しています。


3分サマリー

背景:患者体験の“手触り”に一番近いのは看護

調査は、診断から治療・就労・経済状況まで広範囲をカバーしています。
しかし、ページの端々(p7〜p11)を読むほど、
患者の体験を形づくっているのは、日常に寄り添う看護ケアそのもの
だとはっきり見えてきます。

医師の治療が“病と向き合う力”だとすれば、
看護は“それを支える生活の温度”のようなもの。

看護の手が届いているかどうかで、
患者が揺れる不安や孤独感の大きさが変わっていました。


ポイント:数字の裏側にある「看護が支えている部分」

1. 若年患者の孤立──支えになれるのは看護

若い世代の患者ほど、

  • 相談できるスタッフが少ない
  • 心の負担を抱え込みやすい

という結果が出ています。
その“相談の入口”になっているのは看護師であり、
生活と治療の間をつなぐ役割は看護以外に代替がききません。

2. 希少がんの「病院探し」という壁

希少がん患者では病院探しが難しい割合が2倍近くあります。
ここでも、

  • 情報提供
  • 専門医療への橋渡し
  • 治療選択の伴走

これらは看護職が得意とする支援領域です。

3. 経済的な揺らぎを最初に察知できるのも看護

若年患者の44.9%が経済的影響を受けています。
患者は医療者に直接“お金”のことを言いにくく、
一番最初に表情や生活の変化を拾うのは看護師です。

小さな変化を捉える「観察」と「対話」は、
医療の中でも看護が持つ固有の価値です。

4. 就労支援の不足は、看護相談で補える余地が大きい

治療で離職した人が半数を超える中、
看護師が“働きながら治療を続ける”ための相談役になることで
就労継続率を高められる可能性があります。

生活・家族・職場との折り合いは、
看護相談だからこそ話せる領域です。


今後の見通し:がん医療の中で、看護の価値がより必要になる

調査全体の結論は、
医療の質は高いが、患者の生活を支える仕組みがまだ弱い(p14)
というものです。

これはそのまま、
“看護が担う領域がこれからもっと重要になる”
という意味でもあります。

  • 不安の芽に気づく観察力
  • 生活・仕事・家族を含めた全体支援
  • 希少・若年がんの情報格差を埋める伴走
  • 経済的・心理的問題を察知してつなぐ役割

これらはすべて看護が得意とする領域であり、
今後のがん医療の“質の差”を決める部分です。

結論:がん医療は治療だけでなく、生活・未来まで支える看護があって初めて成立する。
患者体験調査の数字は、その事実を静かに、でも確かに示している。


一次ソース(PDF)

第三回 患者体験調査(国立がん研究センター)
https://www.mhlw.go.jp/content/10901000/001523604.pdf

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